SNSの普及でトレード用語も変化する？

「世界で最も金融系のやり取りが行われるSNS」ことX(旧Twitter)。

スマートフォンとSNSが誰でも扱えるものになるにつれて様々な言葉の変化が生じてきましたが、FX/金融系においても例外ではありません。

この記事ではSNS独自のFX用語や、もともとあるトレード用語の中からSNSでも頻出する用語をまとめます。

X(旧Twitter)で為替・ゴールドFX/BTCFXのポジションやエントリーを公開しているアカウント

通貨/コインの愛称

オジ円(AUDJPY)、ポンドル、ポン円(GBPJPY)などメジャーなものは除外します。

油(あぶら)

原油(WTIUSD/USOIL)のこと。

「油売った」「油売ってる場合か」などの言葉遊びも。

キウイ

ニュージードル(NZDUSD)、ニュージー円(NZDJPY)のこと。

フルーツではなくニュージーランドの国鳥キーウィからの連想ですが、

そもそもフルーツのキウイの名前が鳥のキーウィから来ているので大まかには同じ？

金(きん)/ゴ

ゴールド(XAUUSD)のこと。

CFD商品の中でも特にメジャーな商品であるためか、「ゴ」の1文字にまで略されることもあります。

「ゴ売ってみる」「ゴの動きキモすぎ」など。

ケーブル

ポンドドル(GBPUSD)、ポンド円(GBPJPY)のこと。

イギリスの海底ケーブルに由来しています。

昔からある名称ですが、一般名詞すぎて知らない人は何のことだか分かりませんよね。

ポンド円にはポン円と言う愛称があるので、ポンドドル(GBPUSD)の意味で使われることが多いです。

コアラ

オージードル(AUDUSD)、オージー円(AUDJPY)のこと。

オーストラリア=コアラ。

日本人はクロス円の取引を好むため、特にオージー円の意味で使われることが多いです。

ナス/🍆

アメリカの株価指数ナスダックのこと。

NYダウ(US30)、NASDAQ(US100)の実測スプレッド/レバレッジ比較

ビット/ビ

ビットコイン(BTC)の略。

用法は「ビット売った」、「ビ拾った」など。

トレーダー間でしか使われないのでたった一文字でもニュアンスで伝わるのが日本語の妙と言うか。

リッポー/りっぽー/リンゴ

リップル(XRP)の愛称。

リッポーはネイティブ発音っぽい感じ、リンゴはリッポー→アッポーからの連想でしょうか。

やや茶化したニュアンスなのでガチリップラーの方には怒られるかも知れませんが、

良くも悪くもリップルがアルトコインの中で知名度が高く、親しまれていると言うことでもありますね。

値動き系

上げんなら下げんなや

マンガFX戦士くるみちゃんの超絶名言、の表記ゆれ。

原典が「上げンなら下げンなやァ！クソがァ！！」とカタカナ混じりなため、

簡潔なこちらが使われることの方が多いイメージ。

当然ショーターからは「下げんなら上げんなや」の真逆の声が聞こえることも。

マンガ『FX戦士くるみちゃん』の名言・教訓

おはギャー

日本時間の夜中に急激な値動きがあった時の朝、特に通貨や株価が暴落していた時に使われます。

おはよう→ギャー→おはギャーと言うことですね。

ポジションを持っていた人はもちろん、特にポジションを持っていなかった人もノリで使うことが多い金融クラスタの風物詩的なワード。

ドヤ天/ドヤ天井/スクショ天井

スクショ天井はほんまやめてな

— やがみ (@Light_Yagami_a) May 21, 2020

スクショ天井はほんまやめてな

— やがみ (@Light_Yagami_a) May 21, 2020

思い通りに相場が動いた時に含み益のポジションのスクリーンショットをアップしたり、

「簡単すぎワロタ」などドヤるとそこが天井になりやすい、と言うアノマリー。

マーフィーの法則とも言うべきか。

僕言いましたよね/乗れた方おめでとうございます！

宣言通りに相場が動いた時にトレーダーがドヤるためのテンプレ。

うさんくさい商材屋も多用する言い回しなので、ネタとして使っているケースも多いです。

ヨコヨコ

レンジ相場のこと。

ローソク足/チャートが延々と横に伸びていくことから。

ポジション系

握力

ポジションを保有する時の忍耐強さのこと。

「いいところで入れたのでここは握力を強くする」「利確早すぎた、握力赤ちゃん」などの使い方をします。

売り上がる/売り増し

ショート(売り)ポジションを最初のポジションよりも高い価格でさらに追加していくこと。

要するにナンピンなのですが、SNSでは比較的以下のニュアンスで使われることが多いように思います。

• 「売り上がる」はある程度計画性を持った分割ポジションで、損切りラインも決めてある
• 「売り増し」は当初の予想より価格が上がって来たけど半信半疑で売る

個人の感想です

買い下がる/買い増し

ロング(買い)ポジションを最初のポジションよりも低い価格でさらに追加していくこと。

要するにナンピンなのですが、SNSでは比較的以下のニュアンスで使われることが多いように思います。

• 「買い下がる」はある程度計画性を持った分割ポジションで、損切りラインも決めてある
• 「買い増し」は当初の予想より価格が下がって来たけど半信半疑で買う

個人の感想です

ほとんど売り上がる/売り増しのコピペですが仕方ないですね。

売り豚/買い豚

売り豚はショートポジションを保有している人、

買い豚は買いポジションを保有している人。

自分の持っているポジションと逆のポジションを持っている人を罵倒・煽る時に使われることが多い、

あまり品位のない()言葉です。

「また買ってるのかよ買い豚」「キリ番の売り豚しつこすぎるだろ」など。

切る/切った/捨てる/捨てた/カット

含み損のポジションを損切り(ロスカット)すること。

「ゴールド拾ったけどすぐ捨てた」「前回高値を超えてきたから切った」など。

ゴルショ

ゴールド(XAUUSD)ショートの略。

ゴロン/ゴルロン

ゴールド(XAUUSD)ロングの略。

刺さった

「指値に刺さった」の略。

「ドル円の売値刺さってた」「ゴールドロング刺さってた」など。

叩く

ショートポジションを入れること。

「ドル円はここで叩く」「ここまで上がったら叩く」など。

建値/タテカツ

「建値でカットした」の略。

「ドル円は建値」「タテカツ食らった」などと使われます。

建値入れた

「建値ストップロス/建値カットを入れた」の略。

資産を守るための建値ストップ/建値カットやネックラインでの利確

握りつぶす

含み益のあったポジションの含み益が減ったり、建値まで返ってくること。

「○○円の含み益握りつぶしたのアホすぎ」など。

半利

半分利確の略。

「半利&建値入れて勝ち確！」などと建値ストップロスとセットで使われることも。

拾う/拾った

ロング(買い)ポジションを取ること。

下落している時に使われることがほとんどです。

下がっている=落ちているものを拾うイメージでしょうか。

ピピ/p

pipsの略。

「30ピピで損切り」「50pで満足！利確」など。

ビショ/ビッショ

ビットコイン(BTC)ショートの略。

ビロン

ビットコイン(BTC)ロングの略。

ヘッショ/ヘッジショート

リスクヘッジショートの略。

現物やロングポジションを持っている人がリスクヘッジのショートポジションを持つこと。

要するに両建てと同じことですが、

比較的いいポジションで買えた人が保険として高値圏でヘッジショートを入れる、と言うようなテクい立ち回りで使われることが多いように思います。

FPSでよく使われるヘッドショットと略称が同じで、

さらにトレーダーの方はApexなどのFPSゲームを好む傾向にあるので結構紛らわしい。

市場時間系

チャイナ

東京時間に含まれる上海時間(日本時間10:15～10:30)に参入してくる中国勢の通称。

上海時間は中国の株価指数であるハンセン指数の開場時間ですが、

中国人はとにかくゴールド(XAUUSD)の取引が大好きなのでハンセン指数よりもむしろ(トレーダーに人気の)ゴールドに注目が集まりやすい時間帯。

ゴールドのポジションを持っている場合はこの時間帯の急な値動きには注意が必要です。

ブリカス/ロンドンアニマル

ロンドン時間(日本時間で夏時間16時/冬時間17時)に参入してくるロンドン勢の蔑称。

投機的な仕掛けで東京時間の日本人のポジションを狩ろうとする動きがとにかく目立つため、

一部のトレーダーからイギリス人の蔑称そのままにブリカスと呼ばれています。

為替FXにおけるロンドン時間の値動きの特徴と騙しについて

ヤンキー/NYヤンキー

NY時間(日本時間で夏時間22時/冬時間23時)に参入してくるアメリカ勢の愛称(？)

「若い」と言う意味でのヤンキーで、アメリカと言う国の持つイメージと合ってはいますが、

まぁ実際にはおじさんが多いことでしょう。

経済指標系

コヨトケ

雇用統計の略。

経済指標の中でもトップレベルに重要かつ発表時の値動きも激しいため、軽いお祭り騒ぎになることも。

為替FXに関する経済指標・要人発言などファンダメンタルズの確認にオススメのサイト/X(旧Twitter)アカウント

ミシガン

ミシガン大学消費者信頼感指数の略。

夏時間23時、冬時間24時と言う中途半端な時間に発表される割に意外と値動きが出ることがあり、

トレーダーからの認知度が高い指標です。

一方でこの数値が何なのか把握している人はあまりいなそう…。

個人的にフロム・ソフトウェアのゲーム『ARMORED CORE 6』発売後はゲーム内のパイロット、ミシガン総長のイメージが強くなりすぎました。

「よく聞け、役立たずども！指標に期待してポジションを持つのはマヌケのやることだ！」

「それで助かっても次はないと思え！」

「XMのレバレッジは国内より40倍も高い！Exnessはさらにその20倍以上も高かったと言うだけだ！」