為替FXにおける移動平均線(EMA/SMA)のクロスを使った基本的なトレード

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移動平均線はテクニカル分析の基本中の基本

GBPUSD 15分足 クロス

チャートの過去の価格推移を映し出す移動平均線(MA/Moving Average)。

世界中のトレーダーが表示・意識している、一番メジャーなインジケーターです。

MetaTraderや国内証券会社のアプリでも最初から5日や10日のMAが表示されているように、テクニカル分析の基本中の基本と言えるでしょう。

この記事では移動平均線を使ったトレードの基本的な考え方に関してまとめました。

移動平均線(MA)の性質

ザックリとまとめるとロウソク足は以下のような性質を持っています。

  • 移動平均線より上にロウソク足があればロングを入れて含み益の人とショートを入れて含み損の人が多い
  • 移動平均線より下にロウソク足があるとその逆、ロングを入れて含み損の人、ショートを入れて含み益の人が多い

ドル円(USDJPY) 1時間足 200EMAの上にロウソク足

画像はドル円(USDJPY)の1時間足。

赤が21EMA、オレンジが90EMA、水色が200EMAです。

一度上に抜けた移動平均線にロウソク足が再度近づくと、ショートの含み損の人の損切りや同値撤退の買い注文が入りやすいため、反発して上昇していることが分かります。

21EMAと90EMAなど、期間の違う移動平均線が重なるポイントではより多くの人の注文が入るので強力なサポートとして期待できます。

ドル円(USDJPY) 1時間足 200EMAの下にロウソク足

こちらはドル円の1時間足ですが、ロウソク足が1時間足の200EMAより下にあるので弱気相場。

ロウソク足が200EMAに当たった時に反落しています。

その後21EMAが90EMAを追い越してゴールデンクロス。

含み損のショーターが多くなったのか、相場が反転しました。

移動平均銭は単純にロングやショートを打つ時の目安になりやすい

上記の特徴を特に意識しなくても、

シンプルに移動平均線をサポートやレジスタンスと見なして取引をする人も多いので最も意識されるテクニカルと言えます。

為替で使うのはSMAよりもEMAのことが多く、特に21EMAは外せない

EMAとSMAの違い

  • EMAは直近の動きを重視(荷重)した移動平均線
  • SMAは全期間の動きを均一に取り入れた移動平均線

EMAとSMAのどちらを使うかは好みが別れるところですが、

為替FXのチャートではEMAの方が機能していると感じることが多いですね。

Xでチャートを公開しているトレーダーの方も、EMAメインの方が多い印象。

X(旧Twitter)で為替・ゴールドFX/BTCFXのポジションやエントリーを公開しているアカウント

21EMAは特に重要

EMAの日数に関しては21EMA(20~25EMA)だけは必ず表示しておきましょう。

フィボナッチ数(21.6)であり、

1ヶ月の平日の平均日数(為替FXが開場している日数)であり、

機関投資家も21EMAを表示していることが多いと言われています。

21EMAより少ない日数は初動を捉えるのに使うこともありますが、信頼性の面から言うと表示しなくても問題はないかと。

中期は75~100EMAが基本

21EMAの次に表示しておきたいEMAの日数は75~100あたりです。

75, 90, 100のいずれかを採用する人が多いですが、このあたりの数字だとそこそこ信頼性があるのでどれを使っても大きな差はありません。

15分足以上、75EMA以上はかなり機能するテクニカルなので、迷った場合は75EMAで問題ないと思います。

フィボナッチ数の61.8からの連想で62EMAを採用する人も。

長期は200EMA/200SMAが基本

200MAは特に日足で200日線とも呼ばれ、非常に意識されやすいMAなので必須。

200日に限ってはEMA、SMAともに注目している人が多いため、200EMAと200SMAを併せて表示しておきたいですね。

鷲巣MA(48EMA/288EMA)

48EMA 288EMA ドル円(USDJPY) 5分足

5分足を重視した手法として鷲巣MAと呼ばれるMAを用いた手法が存在します。

鷲巣MAで使われるのは48EMAと288EMAで、

4時間(240分)と24時間(1440分)を5分で割るとそれぞれ48と288になることから採用された手法。

詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

鷲津MA(288EMAと48EMA)と5分足でトレンドを短時間で見極める鷲津理論

中~長期MAではSMAも使える

90日、100日や200日などの長期移動平均線はEMAとSMAを併用している人も多く、

1分足や5分足などの短い時間足で200SMAと200EMAがクロスすると相場の転換を迎えることがあります。

GBPUSD 5分足 100SMA 200SMA 01

GBPUSD 5分足 100SMA 200SMA 01

画像は水色が200EMA、青色が200SMAですが、

以下のような傾向が為替FXにおいて見られることが多いと感じるのではないでしょうか。

  • 200SMAが200EMAより下→上昇
  • 200SMAが200EMAを追い越して行く→下降

どちらもポンドドル(GBPUSD)の5分足ですが、200EMAと200SMAがクロスした後に値動きに勢いが付いていることが分かりますね。

下手にテクニカルを覚えるくらいなら200EMAと200SMAだけ見てトレードをしていた方がいい結果になるのではないかと思います。

ショートもロングも基本的に移動平均線がクロスしてからエントリーを考える

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値ごろ感で天井ショートや底ロングを取ることを考えると簡単に担がれてしまうのがFXです。

最低でも1分足で21EMAが中期EMAをクロスしてサポートやレジスタンスになっていることを確認してからエントリーを考えるようにしてください。

GBPUSD 1分足 クロス

画像はポンドドル(GBPUSD)の1分足で赤い21EMAが黄色の75EMAと水色の200EMAを下から上へクロスしていった時の値動きです。

その後再度上から下へクロスしそうになっていますが、持ちこたえて再上昇しました。

ポンドやゴールド(XAUUSD)のようにボラティリティの高い通貨・商品だと1分足のクロスでも大きく価格が動く場合があります。

損切りラインはショートの場合は直近高値から15pips、ロングの場合は直近安値から15pipsほどに置いておくとストップ刈りにあう可能性を減らせます。

移動平均線を使った逆張りだけでも十分に勝てる

レンジ相場には手出しをせず、大きな値動きがあったあとに移動平均線のクロスを見て反対方向にエントリーをする方法は比較的ローリスクです。

例えば24時間以内に100pips以上の上昇があった後、もう一段上がるよりは下がる可能性の方が高いので、

そう言った場面で移動平均線のデッドクロス(短期戦が中期線より下方向にクロスしていく)を待ってエントリーするのは良いエントリー手段と言えます。

2018年の10月以降はニュージードル(NZDUSD)ドルカナダ(USDCAD)などで二段階の上昇も見られましたが、

そのような非常に強い相場の場合はドツボにハマる前に潔く損切りをしておきましょう。

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エントリー時には通貨ペアごとの運動量限界を考慮する

ドル円などレンジになりやすい通貨ペアは24時間以内に70~80pipsほど上昇または下降をしたら逆方向へのエントリーを考えてもいいかと思います。

2022年のドル高に伴う高ボラティリティ相場では全く通用しませんでした…。

ポンドやユーロなどの欧州通貨ペアは24時間以内に100pips以上動くことも珍しくないですが、

150pips以上動くことはかなり少ないので、100pips以上動いたら反対方向へのエントリーを考えましょう。

X(旧Twitter)で為替・ゴールドFX/BTCFXのポジションやエントリーを公開しているアカウント

いずれの場合も必ず移動平均線のクロスを見てからのエントリーが望ましいですが、

15分足以上で21EMAから30pips以上価格が離れると一旦は21EMAに価格が近づく傾向が見られます。

GBPUSD 15分足 調整

画像はポンドドル(GBPUSD)の15分足ですが、極端な上昇時を除いて21EMAから30pipsほど離れると調整の下落をしていることが分かります。

ゴールド(XAUUSD)原油(WTIUSD)などのボラティリティが高い金融商品には必ずしも当てはまらない場合もありますが、為替FXでは比較的機能しやすい逆張り手法。

この記事でも触れていますが、日足3MAの乖離を狙う手法を使うトレーダーの方も。

MT4/MT5アプリでのEMAの表示方法

MetaTraderアプリ EMA追加 01

  • チャート画面からfマークをタップ

MetaTrader(メタトレーダー)4,5 アプリ EMA追加 02

  • 『メインチャート』の横のfマークをタップ

MetaTrader(メタトレーダー)4,5 アプリ EMA追加 03

  • 『Moving Average』をタップ

MetaTrader(メタトレーダー)4,5 アプリ EMA追加 04

  • 『期間』、『メソッド』を選択して『完了』をタップ

シンプル(Simple)がSMA、指数加重がEMAです。

色に関しては200日に関しては水色や青を採用する人が多い傾向が見受けられますね。

短期はMetaTraderの初期設定が赤なのでそのまま使うのもいいでしょう。

30分足のEMAがサポートとレジスタンスのどちらになっているのかで相場を見極める

30分足の21EMAと75EMAは機能しやすい

ドル円(USDJPY) 30分足 EMA

上の画像はドル円(USDJPY)の30分足です。

赤い線が21EMA、オレンジが75EMA、青が200EMAですが、

21EMAが右肩上がりの時は21EMAに触ると反発するサポートとして機能し、右肩下がりの時は触ると反落するレジスタンスになっていることが分かると思います。

ゴールド(XAUUSD) 30分足 EMA

上の画像はゴールド(XAUUSD)の30分足です。

動きの荒いゴールドはヒゲで突き抜けることも多いですが、概ねドル円と同様、21EMAがサポートとレジスタンスのどちらかになっていることが多いと言えるでしょう。

このレベルのEMAなら1~2ドル幅ほど下のところに指値を入れてヒゲキャッチを狙うのもアリです。

BTCUSD(ビットコイン) 30分足 EMA

さらにこちらの画像はビットコイン(BTC)ですが、歴史の浅いビットコインでさえも30分足と言う比較的長めの時間足では21EMAがよく機能しています。

30分足は更新回数が1時間足より多く、レジサポ反転に気づきやすい

30分足の21EMAは1時間足の10EMAとほぼ同じ位置の移動平均線ですが、30分足の方が更新回数が多くレジスタンスとサポートの反転を見極めやすくなっています。


もちろん15分足や5分足と言った短期の時間足よりも30分以上の足の方が騙しが少ないため、

BTCこわい氏のように有名トレーダーで30分以下の足は見ないと言う方もいるほど。

15分足と1時間足と言うメジャーな時間足に挟まれていてやや地味な存在ではありますが、

移動平均線のクロスにおいても30分足レベルなら信頼できます。

X(旧Twitter)で為替・ゴールドFX/BTCFXのポジションやエントリーを公開しているアカウントにも使用している人が多い隠れた優良時間足なので、

特にデイトレやスイングなど比較的長いポジションを持つ人は確認する価値があります。

3MAとロウソク足の乖離を利用して相場の反発を見抜く

3MA(3SMA)とは

MetaTrader(メタトレーダー) アプリ 3MA 追加 01

非常に短期間の移動平均線で、ほとんどロウソク足と同じ値動きになるのが特徴。

週足や日足、4時間足などの長期足でロウソク足と3MAが乖離すると一旦は3MAに近づきやすい、と言う性質から逆張りに使える手法です。

実際のチャートとの比較

ドル円(USDJPY)

ドル円(USDJPY) 3MA 日足 01

日足レベルでヒゲを付けた場合は3MAに引き寄せられていることが多いことが分かります。

ドル円(USDJPY) 3MA 4時間足 01

4時間足でも同様。

長い時間足で乖離が生じた場合はチャンスと言えそうです。

ドル円の場合はおよそ30pipsほど乖離したあたりから逆張りを狙っていけることがチャートから分かりますが、損切りの数値はしっかりと決めておきましょう。

ゴールド(XAUUSD)

ゴールド(XAUUSD) 3MA 日足 01

値動きの荒いゴールドも日足レベルだと綺麗なチャートに見えますが、ヒゲの長さが尋常ではありません。

日足での乖離を確認しても、30分以上の足で反転をするなどの根拠がない限りは逆張りをしない方が良さそうです。

3MAを手法に取り入れているトレーダー

まわらないすし@mawarana1sush1

https://twitter.com/mawarana1sush1

ツイキャスの配信やポストでたまに『3MAとの乖離』と言う表現が出てきます。
氏の反転予測を支えるひとつの要素であることは確かですね。

ジョージのFX!勝率90%!@George_no_FX

フォロワー数は少なめですが、的確な分析は参考にしたいところ。

3MAによる手法を秋刀魚と称し、高い勝率を上げています。

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